崖っぷち!オマエの就職決まるのかい?

ハローワークから訓練校に入校し、いよいよ最後の企業研修。悪戦苦闘、脂汗ダラダラの毎日でございます。

「iPhone 初の前年割れ 新機種不振」は経済に影響を及ぼすのか?

タイトルの一部はは2016年2月21日の東京新聞の朝刊の記事からです。

以下抜粋

「iPhone(アイフォーン)」の二〇一五年の国内出荷台数が、〇八年の日本進出後、初めて前年を下回ったことが分かった。調査会社MM総研によると、前年比10・6%減の千四百七十三万台と大幅に減少。昨年秋に発売した新機種の販売が振るわなかったためだが、快進撃を続けてきた成長神話に陰りも見え始めた。

総務省事業者にスマホ端末の過度な割引の見直しを求めている。MM総研は「他社からの乗り換え時に価格優遇が著しかったアイフォーンの出荷台数とシェアは、さらに減少するだろう」と予想している。

東京新聞:iPhone 初の前年割れ 新機種不振、成長に陰り:経済(TOKYO Web)

 

あれだけ快進撃を続けてきたのですから、いまさら多少売り上げが落ちたところでそれほど驚きはしません。気になるのはアップルは自社工場を持たないファブレス(fabless)企業という点です。(簡単に言うと企画は自社、生産は他社に委託の分担の形をとる)

しかも現在、売り上げの過半数を占めるのはパソコン部門ではなく、iPhoneiPadを中心とした携帯端末事業で、次にiTunesを中心とする音楽事業が続いています。設立以来の社名Apple Computer, Inc.”は、主事業の変化にともないApple Inc.”に改称されました。

例えば自動車を生産している巨大企業のトヨタ自動車は多くのグループ企業が自社工場を持ち自動車部品の生産をしています。そんなトヨタ自動車の下請け、孫請け会社でさえトヨタ自動車が減産すれば大きな影響を受けます。

もしアップルのiPhoneがこのまま先細りを続けると、生産を委託される企業(ファンドリ・foundry)はもろにその影響を受けるという事になります。現在のアップルの主な委託先はフォックスコン・テクノロジー・グループ(台湾)で、生産工場はほとんどが中国にあります。

ちなみにフォックスコン・テクノロジー・グループ(台湾)は現在、世界最大の電子機器ファンドリのひとつで、シャープの身売り話で名前を聞く鴻海精密工業フォックスコンのグループ企業です。つまりもしiPhoneの不振が続くようであれば、アップル→台湾→中国とその決して小さくない影響が伝播していく可能性が高いという事です。

2015年3月19日にはNASDAQ市場(主にハイテク銘柄が多い)からダウ工業株30種平均株価に採用されました。アメリカの老舗主幹企業の仲間入りを果たしたのです。これでアメリカで一番重要な株価指数である、ダウ工業株30種平均株価に与える影響も大きくなりました。皮肉にも2015年3月辺りには株価は頭打ちになりその後下落が続いていますが、同じ時期にアメリカも株安に入っているので真価を問うには早いでしょう。

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 アップル5年チャート

 

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アップル2年チャート

 

それと最近気になる話題が盛り上がっていますね、アップルとFBIのやりとりのアレです。FBIは「テロリストのiPhoneのロックを解くために、それ専用のOSを作れ」と言っており、アップルはそれに対して「他のユーザーのプライバシーを侵す恐れがあるから無理」と回答しています。そんなOSを作って当局に渡してしまったら、他のユーザーのiPhoneのロックまで自由に解かれる可能性があるという理由からです。

これはとても多くのデリケートな問題を内包しているように感じます。国家と民間の関係のバランス、一般に使われている端末の安全性、ユーザーの機密を保持しなければならない企業への信頼などなど。もしアップルが要請に応じるようなことになれば、時間が経ってから初めてその影響の大きさが分かる、そんな分岐点になりそうな気がします。

 

↓↓ こんなネタもありました、参考まで。 

iphone-mania.jp